小学生低学年までと年配の方々に良く見られる病気で、主な症状は難聴や耳の閉塞感(つまった感じ)です。耳管が正常に機能せず、鼓膜の奥の部屋に滲出液が溜まる病気です。(耳管とは鼓膜の奥の部屋(鼓室)と鼻咽腔をつなぐ管で、その役割は鼓室の換気を行うことです。)基礎疾患として特に幼小児では鼻炎、アデノイド増殖症などが関与していることが多く、鼻の治療が中心となることが多いです。放置すると難聴や慢性中耳炎を来すこともあります。幼小児は難聴を訴えないケースが多いので、呼びかけに対する反応が鈍いときなどは一度、耳鼻科で鼓膜を診てもらってください。耳管機能は10歳くらいまでは未熟で、50~60歳代以降は徐々に低下していきます。鼓室や鼻咽腔に原因となるような病気がなくても、耳管そのものの機能不全がその発症に大きく関わっています。また先天性疾患として口蓋裂やダウン症候群でも耳管機能不全により本疾患を発症しやすいことが知られています。