花粉最新治療

花粉症最新治療

スギ花粉症およびダニの舌下免疫療法

2014年スギ花粉症の、そして2015年12月からはダニの舌下免疫療法が開始となります。ここでは注目の舌下免疫療法についてご案内。2014年10月にスギ花粉症の舌下免疫療法治療薬が発売され、外来での治療が開始致しました。舌下免疫療法をご希望のかたは、まず下記の案内をご覧ください。治療開始前に適応を決める検査がありますので、まずは一度当院を受診してください。

そして、2015年11月に新たにダニの舌下免疫療法治療薬が薬価収載され、12月からスギに1年遅れで、ダニの舌下免疫療法が保険適応となり治療開始となります。ダニの舌下免疫療法についても以下にご説明致します。残念ながら現時点では、スギとダニの舌下免疫療法を同時に行なうことはできません。治療にあたっては、下記のスギ花粉症の舌下免疫療法についても参考にしてください。

スギ花粉症の舌下免疫療法について

 当院で舌下免疫療法を受けたい場合には?

スギ花粉症であること、免疫療法の適応であることなどの診断が必要です。まずはこの説明書をお読みになったうえで検討して下さい。

 従来のスギ花粉症の免疫療法とは

免疫療法とは、病気の原因となる物質を少量から徐々に増やして体内にいれて治す方法です。従来は低濃度のスギ花粉治療用注射液を安全性と反応を見ながら注射し徐々に増やして体質を変えていく治療法でした。

 注射に変わる新しい方法―舌下免疫療法

注射法では、注射による痛みと注射のたびに通院が必要なことが問題でした。舌下免疫療法は注射による痛みがなく、自宅で服用できます。

 どうやって舌下免疫療法を行うの?

シダトレンというスギ花粉治療薬を舌の下に滴下します。舌下に2分間保持し、その後飲み込みます。最初の2週間で量を増やし3週目から同じ量を毎日舌下投与します。1回目の舌下投与のみ当院で行ないます。

 いつからはじめるの?

6月~11月末の治療開始が望ましいです。      

 通院は不要?

発売後約1年間は2週間に1回の通院が必要です。発売後2年目(平成27年10月頃)からは月1回の通院が必要です。

 治療の副作用は?

口の中の副作用として舌下の腫れ、口内炎やのどの痒みなどがあります。またアナフィラキシーとよばれる投与30分以内の急性の過敏反応を起こす可能性があります。(じんましん、腹痛・嘔吐、咳・息苦しさ、意識混濁など)上記症状が現れたら医療機関での治療が必要です。よって初回治療は必ず院内で安全に行います。

 舌下法をすれば花粉症が治るの?

全体の70~80%の人に有効、10~20%は根治と考えられています。舌下法で誰でも根治する訳ではありません。

 治療前に効果があるかわかるの?

残念ながらそれはまだわかっておりません。しかし、最新の研究によってバイオマーカー(舌下免疫療法の治療効果がでるかわかるもの)の候補が見つかり始めております。いずれ事前判定が可能になることが期待されます。

 舌下免疫療法は長期間の治療が必要?

長期間の継続治療が必要です。まずは、2年間舌下免疫療法を行い、効果を確認します。効果のある方には4~5年間の治療を勧めています。

 なぜ、舌下免疫療法を何年も行うの?

初年度より2年目、2年目より3年目以降で効果が高くなるため複数年治療を行います。体の免疫能(体質改善)が進むからと考えられます。

 舌下免疫療法は一生行う必要があるの?

4~5年行えば、治療を止めても効果が長く持続すると考えられています。終了して何年も経過すると、再びスギ花粉症が悪くなる方が出てきます。その場合は、再度1~2年間の治療を行うと、効果が元に戻ると考えられます。

 ダニアレルギーや他の花粉症があってもできる?

1年のうちで特にスギ花粉飛散期の症状がつらいのでスギ花粉症を治したいのであれば、他のアレルギー性鼻炎を合併していても治療は可能です。ただし、他のアレルギー性鼻炎症状への効果は期待できません。

 どのようなかたに特にお勧め?

・将来、妊娠した際に薬が使えないのが不安な方。
・大学などの受験期がスギ花粉と重なるので、少しでもよくしておきたい方。
・花粉症の薬がたくさんいるので、少しでも軽症化して薬を減らしたい方。
・まだ若く、毎年花粉症に悩むのか考えると心配な方。

 適応と適応外は?

検査などで治療の適応と判断されたかたでも以下の方は適応外です。

・妊娠されている方、および近いうちに妊娠希望の方
・重症の喘息、重い心臓の病気を合併している方・癌の治療をしている方
・免疫不全などの病気の方、治療で免疫抑制剤を使用している方
※高血圧でベータブロッカーという薬を服用している方は、他の薬に変更する必要があります。

 適応の年齢は?

5歳くらい~65歳が適応となります。65歳以上のかたは、効果のある方の割合がやや少なくなると予想されますので治療ご希望の場合は一度ご相談願います。

 治療費用は?

1ヵ月あたり3,000~4,000円になります。(保険適応3割負担、診察費用込)

当院における舌下免疫療法の流れについて

初回受診時には、まず院内に設置の舌下免疫療法に関する説明書を読み、ご理解頂いたうえで、アンケートにお答えいただきます。そして当該アレルギーがどの程度あるかを確認するために血液検査を行います。次回受診時のみ日時を完全予約してからご来院頂きます。血液検査を確認後、初回の舌下投与は院内で行います。投与後30分間、アレルギー症状など体調の変化が生じないか院内で経過観察致します。以降の受診は完全予約ではなく、通常の当日予約をお取りいただいたうえで、あるいは直接予約なしでご来院頂けます。

ダニの舌下免疫療法について

 ダニのアレルギー性鼻炎とは?

ダニは主にヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニの2種類があります。

じゅうたんや布団などにたくさん生息しており、肉眼では確認しにくいサイズです。粉々になったダニの死骸や糞便などがアレルギー性鼻炎の原因になります。日本のアレルギー性鼻炎では、スギ花粉とともに最も多いアレルゲンです。ハウスダストはアレルギーを引き起こすものの混合物で、98%以上がダニであり、ダニとハウスダストはほぼ同じと考えられております。ダニのアレルギー性鼻炎は通年性に症状があり、スギ花粉症は春のみの症状です。

 ダニの舌下免疫療法の治療薬とは?

ダニの舌下免疫療法はスギのように液剤ではなく錠剤です。舌下免疫療法の治療薬にはヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニが50%ずつ含まれています。ミティキュア(鳥居社)とアシテア(シオノギ社)の2製剤があります。

 治療方法は?

治療薬の錠剤を舌の下に置きます。錠剤は舌の下ですぐに溶けます。1分または2分間(製剤により異なる)そのままにしておき、その後に飲み込みます。飲み込んだあとの5分間は、飲食やうがいができません。この治療を1日1回、毎日自宅で行います。

 通院回数について

本製品は新薬です。厚生労働省の規定で、新薬の発売承認後1年間は2週間分の処方しかできません。平成27年12月から1年間は2週間ごとの通院が必要となります。平成28年12月からは1ヵ月に1回の通院となります。

 治療期間はどれくらい?

長期間の継続治療が必要です。まずは、2年間舌下免疫療法を行い、効果を確認します。効果のある方には4~5年間の治療を勧めています。

 いつでも開始できるの?

基本的にはダニの舌下免疫療法はいつからでも開始できます。

 治療すれば全員治るの?

残念ながら全員が治るわけではありませんが、8割くらいの方には有効と考えられています。完治でなくとも、内服量を減らすことができるなどの効果も期待できます。

 ダニ以外のアレルギー性鼻炎に効果はあるの?

ハウスダストは前述のごとくほぼダニと同じであることから、ダニ・ハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎に効果があり、それ以外のアレルギー性鼻炎には効果がありません。

 副作用は?

口腔内症状(痒み、腫れ、違和感)、鼻水、くしゃみ、目や耳の痒みなどがあります。これらの症状は、治療開始直後に多く生じやすいようですが、比較的短時間で改善し、1週間程度で出にくくなります。ダニの舌下免疫療法の副作用は、スギ花粉症の舌下免疫療法よりも高率かつ強く生じるとの報告があることから、慎重に治療を行います。

 適応と適応外は?

スギ花粉の舌下免疫療法と同じく、以下の方には治療ができません。

・妊娠されている方、および近いうちに妊娠希望の方
・重症の喘息、重い心臓の病気を合併している方・癌の治療をしている方
・免疫不全などの病気の方、治療で免疫抑制剤を使用している方
※高血圧でベータブロッカーという薬を服用している方は、他の薬に変更する必要があります。

 スギとダニ、両方の舌下免疫療法ができるの?

スギ花粉とダニの舌下免疫療法を同時に行なうことは可能です。どちらがよりお困りかを相談の上、治療を開始していきます。

 治療費は?

1ヵ月の治療費は3,500円前後となります。(保険適応3割負担、診察費用込)

 当院における舌下免疫療法の流れについて

初回受診時には、まず院内に設置の舌下免疫療法に関する説明書を読み、ご理解頂いたうえで、アンケートにお答えいただきます。そして当該アレルギーがどの程度あるかを確認するために血液検査を行います。次回受診時のみ日時を完全予約してからご来院頂きます。血液検査を確認後、初回の舌下投与は院内で行います。投与後30分間、アレルギー症状など体調の変化が生じないか院内で経過観察致します。以降の受診は完全予約ではなく、通常の当日予約をお取りいただいたうえで、あるいは直接予約なしでご来院頂けます。