花粉症は、鼻水、くしゃみ、鼻がつまる(鼻閉)といった典型的な鼻炎症状をきたすのに対し、通年性のアレルギー性鼻炎は、鼻閉を主症状とすることが多く、くしゃみや鼻水症状が少ないこともあります。治療は保存的治療として内服、点鼻液や減感作療法などがあります。鼻水やくしゃみが薬剤治療に反応しやすいのに対して、鼻閉は薬剤治療の効果が発揮されにくいことがあります。保存的治療のみでは鼻閉改善が困難な場合、レーザー手術や鼻閉改善手術が適応となります。
鼻を左右に分ける鼻中隔は児童では70%、成人では90%と殆どの人が成長過程である程度どちらかに曲がっています。しかし、強く曲がっているために、いつも鼻が詰まって、口呼吸やいびき、においがわからないなどの症状がある場合を鼻中隔弯曲症といいます。いつも同じ側の鼻ばかり詰まる人は、この病気の疑いがあります。鼻づまりなどの症状が改善しない時は治療(鼻中隔矯正術)の対象となります。
『鼻茸』とは慢性的副鼻腔炎(ちくのう症)に付随する一つの病状で、別名鼻ポリープとも呼ばれています。形状は水ぶくれのようなこぶであり、鼻副鼻腔粘膜がきのこ状に腫れたものです。鼻閉のみならず嗅覚(におい)が鈍感になったり、ひどくなると鼻の穴から顔を出したりすることもあります。内服、点鼻液などによる保存的治療を行い、改善しない場合は摘出術(デブリッターという器械で鼻茸を除去)を行うこともあります。